出産後、なかなかお腹がへこまない・中央がふくらんで見える――それは「腹直筋離開(ふくちょくきんりかい)」が原因かもしれません。
腹直筋離開は、妊娠中にお腹の筋肉が左右に引き伸ばされ、真ん中にすき間ができる状態のこと。実は産後女性の約3〜4割が経験すると言われています。
この状態を放置すると、姿勢の崩れや腰痛、ぽっこりお腹の原因になることも。
しかし、正しい知識と方法を身につければ、多くの場合は自宅でのケアや軽いトレーニングで改善が可能です。
この記事では、医学的な視点から「腹直筋離開とは何か」「なぜ起こるのか」、そして「安全で効果的な治し方」についてわかりやすく解説します。
1. 腹直筋離開とは?医学的に見た状態とリスク

出産後、「お腹の真ん中がふくらむ」「力を入れると谷間のようなくぼみができる」と感じたことはありませんか? それは腹直筋離開(ふくちょくきんりかい)という、妊娠・出産を経験した女性に多く見られる生理的な変化です。 医学的にも一般的な現象であり、決して珍しいものではありません。
腹直筋離開のしくみ
腹直筋は、お腹の前面を縦に走る左右一対の筋肉で、中央の「白線(はくせん)」と呼ばれる腱組織でつながっています。 妊娠中、お腹が大きくなるにつれてこの白線が引き伸ばされ、左右の筋肉が広がってしまう状態を「腹直筋離開」と呼びます。 医学的には “Diastasis Recti Abdominis(DRA)” と表記され、出産経験者の約30〜40%にみられることが報告されています(日本整形外科学会・2023年)。
いつ起こりやすいのか
腹直筋離開は、主に妊娠後期〜出産直後に発生します。 産後6〜8週間の間に自然に改善するケースもありますが、体幹筋の回復が遅れていたり、姿勢の崩れや抱っこの負担が重なると、数ヶ月〜1年以上残ることもあります。 研究では、産後6か月時点でも2cm以上の隙間が残る女性が約36%にのぼると報告されています(Journal of Women’s Health Physical Therapy, 2020)。
放置した場合のリスク
腹直筋離開そのものは命に関わる疾患ではありませんが、放置すると以下のような不調につながる可能性があります。
- ぽっこりお腹が戻らない(腹圧を支えられず内臓が前方に押し出される)
- 姿勢の悪化(反り腰・猫背)
- 腰痛や肩こりの慢性化
- 骨盤底筋群のゆるみからくる尿漏れ・臓器下垂
つまり、腹直筋離開は単なる「見た目の悩み」ではなく、身体の機能低下にも関係する症状です。 ただし、早期に正しいケアを始めることで、多くのママが改善を実感できます。
2. 腹直筋離開が起こる原因

腹直筋離開は、妊娠や出産という「身体の大きな変化」の中で起こる自然な現象です。 決して珍しいことではなく、誰にでも起こりうること。ここでは、主な原因をわかりやすく整理して説明します。
1. 妊娠中の腹圧(ふくあつ)の上昇
赤ちゃんの成長に合わせてお腹が前にせり出すことで、内臓を守る「腹圧(ふくあつ)」が高まり、腹直筋を左右に引き伸ばします。 この圧力が強くかかると、真ん中をつないでいる「白線(はくせん)」という部分が伸び、筋肉が離れてしまうのです。 特に双子妊娠・体格が小柄な方・急激にお腹が大きくなる方は、腹圧が高まりやすく、離開が起こりやすい傾向があります。
2. ホルモン「リラキシン」による筋膜のゆるみ
妊娠中は「リラキシン」というホルモンが分泌されます。 これは、出産時に赤ちゃんがスムーズに通れるよう、骨盤や靭帯をやわらかくする働きがあります。 しかし同時に、腹部の結合組織(白線)にも影響を与え、筋肉をつなぎとめる力を弱めてしまうのです。 つまり、赤ちゃんのための自然な体の変化が、結果的に腹直筋離開の要因になるということです。
3. 姿勢の変化と筋肉バランスの崩れ
妊娠中はお腹が前に出ることで「反り腰」になりやすく、体幹のバランスが崩れます。 すると、腹筋(特にインナーマッスル)をうまく使えなくなり、背中や腰に負担が集中します。 その結果、腹部の筋膜が引き伸ばされ、産後も筋肉が元の位置に戻りにくくなります。 反り腰や猫背を放置すると、出産後も腹圧が正しくかからず、離開が長引く原因にもなります。
4. 産後の無理な腹筋運動や体型戻し
「早くお腹を引き締めたい」と思う気持ちは自然ですが、産後すぐの腹筋運動(クランチやシットアップなど)は逆効果になることがあります。 腹圧が一気に高まり、白線をさらに広げてしまうことがあるためです。 実際、産後2〜3ヶ月以内の強い腹筋運動で離開が悪化した例も報告されています(日本産科婦人科学会調査 2022年)。 産後はまず呼吸や姿勢を整える「やさしい体幹リハビリ」から始めるのが安全です。
このように、腹直筋離開は“体の防御反応”として起こるものであり、誰のせいでもありません。 大切なのは、焦らず段階的にケアを進めることです。
3. 自宅でできる腹直筋離開の治し方とケア方法

腹直筋離開の改善には、「強い腹筋運動」ではなく、内側の筋肉(インナーマッスル)を優しく再教育していくことが大切です。 ここでは、専門家が推奨する“自宅でできる安全なセルフケア”を3つ紹介します。 毎日5〜10分でできる簡単な方法なので、ぜひ今日から始めてみてください。
① ドローイン(お腹をへこませる呼吸トレーニング)
目的:腹横筋(お腹の奥の筋肉)を活性化して、腹圧を安定させる。
やり方:
- 仰向けに寝て、膝を立てます。腰の下に手のひら1枚分のすき間をつくるように姿勢を整えます。
- 片手をおへその上に置き、鼻からゆっくり息を吸いながらお腹をふくらませます。
- 次に、口から細く長く息を吐きながら、お腹をへその奥に引き込むようにへこませます。
- 吐きながら「おへそを背中に近づける」意識を持ち、3〜5秒キープします。
- これを1セットとして、10回を目安に行いましょう。
慣れてきたら、座った姿勢や立った姿勢でも行ってOK。 呼吸を止めず、ゆっくり行うことがポイントです。
② 骨盤底筋トレーニング(インナーコルセットを締める感覚)
目的:骨盤底筋を鍛え、腹圧コントロールと姿勢安定をサポート。
やり方:
- 椅子に浅く腰かけ、背筋を伸ばして座ります。
- 鼻から息を吸いながらリラックス。
- 息を吐きながら「おしっこを途中で止める」ように、骨盤の底を内側に引き上げます。
- 3〜5秒キープしたら、ゆっくり緩めます。
- 1回あたり10回×3セットを目安に。立っても、寝て行っても構いません。
最初は意識しづらい筋肉ですが、1〜2週間で「お腹の奥から支えられる感覚」が分かってきます。 テレビを見ながら、歯磨きをしながらでも行える簡単なトレーニングです。
③ 姿勢リセットストレッチ(骨盤のゆがみを整える)
目的:反り腰や猫背を改善して、腹部の筋肉を正しい位置に戻す。
やり方:
- 壁に背中をつけて立ちます。頭・肩・お尻・かかとを壁に軽くつけて、自然に立ちます。
- 手のひらを腰の後ろに入れ、1枚分のすき間をキープできるか確認します。
- 腰が反っている人は、おへそを軽く背中に引き寄せて骨盤を立てます。
- この姿勢を10秒キープ → リラックスを3セット。
この練習で「正しい姿勢」を体に覚えさせることができます。 授乳中や抱っこのときも、この感覚を意識すると、腰やお腹への負担がぐっと減ります。
💡 トレーニングを行うときのポイント
- 1日5〜10分、無理のない範囲で続けましょう。
- お腹がふくらむ・中央が盛り上がるようなら、一度中止して専門家に相談を。
- 腹筋(クランチやレッグレイズなど)は、隙間が1〜2本指以下に戻ってから始めましょう。
腹直筋離開のケアは「筋トレ」ではなく「体の使い方を整える」ことが目的です。 焦らず、毎日の呼吸から始めることで、少しずつお腹の中央が引き締まっていきます。
4. 専門家に相談すべきタイミングとトレーニングの進め方

腹直筋離開は、ほとんどの人が時間とともに自然に回復します。 ただし、自己流のトレーニングで腹圧をかけすぎたり、改善が見られないまま放置してしまうと、かえって悪化することもあります。 ここでは、専門家への相談が必要なサインと、正しいトレーニングの進め方を紹介します。
① 相談すべきサインを見逃さない
次のような状態が続く場合は、早めに医療機関または産後専門トレーナーに相談しましょう。
- 出産から6か月以上経っても、お腹の中央に2本指以上のすき間がある
- お腹を力ませると、真ん中が山のように盛り上がる
- くしゃみ・咳のたびにお腹が痛む、または腰がつらい
- ぽっこりお腹が全くへこまない
- 尿漏れ・姿勢の崩れ・慢性的な腰痛を感じる
これらの症状がある場合、腹直筋離開がまだ残っている可能性が高いです。 クリニックでは超音波(エコー)検査で筋肉の離開幅を測定できます。 産後整体やリハビリ施設では、呼吸法や骨盤底筋の再教育プログラムを提案してくれる場合もあります。
② 専門家と一緒に行うトレーニングの特徴
専門的なサポートを受けると、自己流との違いがすぐに実感できます。 例えば、理学療法士や産後トレーナーは、あなたの姿勢・呼吸の癖・腹圧コントロールの弱点を丁寧にチェックし、最適な動きを指導します。 また、パーソナルセッションでは、赤ちゃん連れでもできるような“産後専用の軽運動プラン”を段階的に実施することも可能です。
具体的な進め方の例:
- 初回カウンセリングでお腹の状態をチェック(指の本数またはエコー)
- ドローイン+骨盤底筋トレーニングの基礎を2〜4週間実施
- 離開幅が1本指以下になったら、軽いプランク姿勢や体幹安定運動へステップアップ
- 姿勢改善・抱っこ動作・歩行姿勢までを整える段階へ進行
正しく行えば、2〜3か月でお腹の中央の硬さや安定感が変わってきます。 焦らず、体の回復に合わせてステップを進めることが何より大切です。
③ 手術が必要になるケースもある
まれに、腹直筋の結合部が大きく裂けている場合や、内臓が押し出される「腹壁ヘルニア」を伴う場合には、外科的修復(腹壁形成術)が検討されます。 手術は自由診療扱いで、費用はおおよそ60〜90万円前後が目安です(形成外科・美容外科など)。 ただし、手術が必要なケースはごく一部であり、ほとんどの方は適切なトレーニングで改善が可能です。
④ 継続が最大のカギ
腹直筋離開は、短期間で劇的に治るものではありません。 しかし、毎日の呼吸・姿勢・骨盤底筋ケアを続けることで、確実に身体は変わっていきます。 1日10分のセルフケアを続けるだけでも、2〜3週間後にはお腹の安定感を感じられる方が多いです。 「無理せず、焦らず、継続的に」が一番の近道です。
あなたの身体は、ゆっくり確実に回復しています。 もし不安があれば、ひとりで悩まず、専門家にサポートを求めましょう。
産後のダイエットにはMommy Gymがおすすめ

Mommy Gymは産後のお悩みに特化したボディメイクメソッドで産後のお悩みに悩まれているママの心身のトラブルを解決するために作られたパーソナルジムです。
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特徴
・コンディショニング重視の産後ケアメソッド
産婦人科医監修の安全なトレーニング設計。産後の身体に配慮したプログラムで無理なく理想のボディへ。
・専門チームによる包括的なサポート
産後専門トレーナー・医師・栄養士が連携し、一人ひとりの体調や生活リズムに合わせたプログラムを作成します。
・お子様連れOK
お子様と一緒に通えるジムだから、無理なく続けられます。
料金・コース
| コース名 | 月額料金(税込) | 一回あたり金額 | 備考 |
| サブスク4 | 36,000円 | 9,000円 | 月4回 |
| サブスク6 | 51,000円 | 8,500円 | 月6回 |
| サブスク8 | 64,000円 | 8,000円 | 月8回 |



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